私は歴史の
敗者を描きたい
彼らの存在に
意味はなかったのかと・・・・
曙光の人もある
夜空を照らす月のごとき
脇役の人生もある
志は千里にあり
自分の残りの時間を考えた
十年、二十年あるだろうか
そう思った時から
歴史時代小説を書き始めた
老いを前にした焦りかとも思ったが
二度とあきらめたくはなかった
「蜩の記」の主人公も
いのちの時間を十年と区切られている
しかし
限られた時間であろうと
生の深まりは得られるのではないかと
物語を紡いだ