魁座と中村俊松

私が小さいころ、長洲の町には二軒の映画館があった。港町の魁座と妙満寺の先の

長洲館。魁座は東映系、長洲館は日活、松竹、大映系で、小学校時、学年単位で映画館まで出かけての映画鑑賞は長洲館が多かったように思う。

今では、宇佐市、中津市を含め県北エリアには一軒の映画館もない。

 *2020年3月、イオンモール三光内にセントラルシネマ三光が開業

長洲小学校百年史によると、魁座は、明治の中頃、長洲出身で、朝鮮半島での商売で巨利を得た中村俊松により寄贈された。当時、なんら娯楽施設のなかった郷里に、常設の芝居小屋として造られ、(場所は当時港町にあった魚市場跡地) 以降、映画館、劇場として昭和35年まで長洲町民に親しまれる。

 

中村俊松略歴

文久3年(1863年)、中島柳作次男として西浜に生まれる。  M13年下町中村家養子となる。

本町 多力屋の豊田清三郎(えび舎による水産加工業経営の祖 M22年には、国内はもとより、台湾、樺太にまで進出、拡大)に見込まれ、朝鮮釜山支店 支店長となる。

その後、独立し朝鮮に中村俊松商店を開業。貿易商として成功、巨利を得る。

 

長洲小学校にも多額の寄付をしている。
火葬場の霊供台も寄贈

長洲のもう一つの映画館:長洲館 今戸公徳著「ふるさとの想い出写真集宇佐」より