「日本と台湾の梯となった李登輝」読了

 「日本人へ」

アメリカへの絶対服従や中華人民共和国への卑屈な叩頭外交 すなわち、頭を地につけて拝礼するような外交は、 世界に名だたる経済大国を築き上げた日本にはそぐわない

 【解説】

坂本龍馬を愛し、船中八策を重んじる李登輝が、その第四議「外国の交際広く公議を採り、新に至当の規約を立つべき事」を範にとって、日本外交を戒めた言葉である。この言葉のあとに、

「特に、これからの日本と中華人民共和国との関係は、「君は君、我は我なり、されど仲良き」という武者小路実篤の言葉に示されるような「けじめのある関係」でなければならないと思います。この言葉については、「台湾は中国とけじめをつけて付き合わなければならない」という演題のスピーチでも用いましたが、中国という国の本質的な不確実性を考えれば、日本も台湾も、目の前にぶら下がった、「中国という名のニンジン」に惑わされずに、『君は君、我は我』という毅然とした態度を堅持して、良き関係を構築することが必要です」

と書いている。先の項目でも触れた通り、中国に対して「卑屈な叩頭外交」だけは避け て欲        

                                     しいという李の心からの叫びである。